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caravan活動記録と雑記。 登録キャラ詳細はプロフィール欄リンクよりご覧ください。
Posted by - 2024.05.14,Tue
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Posted by mio - 2010.03.30,Tue
1からどうぞ/(^o^)\ 意味不明展開です。

ミロは、まだ医務室にいた。既にかなりの時間が経っているのは知っている。恋人を待たせているのが、だが若干、アーリクと怪我人のことが気になった。

一方のアーリクは、何やらジョフロアに指示しながら、薬を準備している

ミロはぼんやりと、眠る男をみやった。

歳はミロの兄より少し若い。30半ばといったところだろうか。刀傷の入った厳つい顔はいくらかやつれ、今は痛々しい痣と貼薬の布にかなりの部分を覆われている。不揃いの金髪は、こうして見比べると、アーリクよりずっと濃い色をしていた。

ふと、男の瞼が震え、ゆっくりと開いた。現れた水色の瞳に、徐々に焦点があっていく。

、セリョーシカ

直ぐさまそれに気付いたアーリクが、寝台に駆け寄った。そのさまに、ミロは本気で面食らった。
こいつでも、こんなに慌てることがあるのか、と。

「……ここ、は?

低い声が紡いだのは、ミロにもわかる砂漠の言葉だった。

「朱の天蓋の隊商宿だ」

声をかけられ、
男が、ゆっくりとアーリクを見る。

私がわかるか、セリョーシカ
……旦那、様?

信じられない、といった顔で、男が目を見張った。

やはりお前だな

ふっ、とアーリクの声音が和らぐ。

だ、旦那様、……っ!

おもむろに身体をおこそうとして、男が激痛に呻いた。

いけません、まだうごいちゃ

ジョフロアが、彼を寝かしつける。しかし男の視線は、アーリクに注がれたままだ。

旦那様…よくぞ、よくぞ今日までご無事で……
お前こそ、よく生きていた

話のわからないミロとジョフロアは、目を白黒させた。

このようなところをお見せしまして、ご無礼を……
話すな、お前は骨折している
しかし旦那様、何故
話すなといった

アーリクの口調に、男は口を噤んだ。代わりにミロが、彼の質問に答えた。

ここは隊商が泊まる宿の医務室だ。路地裏に倒れてたのを、運ばせてもらったぜ。こっちの兄さんがあんたを手当して、こいつがいまきたところ。

男は何か言おうとしたが、すぐに口をとじ、小さく頷いた。そしてはっとして、何かを探すように辺りを見回した。

ん、どうした?
御仁、少女は…小さな少女をみなかったでしょうか……
少女?

流石にアーリクも、彼が発話するのを止めなかった

共に、人買いから逃げ出したジンの娘が、側にいたはずなのですが……
人買いだと?

思わず口を挟んだアーリクは、皆まで言う前に、言葉を切った
探しても見つからないわけだ、と呟くアーリクに対し、男はただ、申し訳ございませんと詫びた。
ミロは二人のやりとりがすんだのをみて、有りのままを答えた

俺達が見つけた時、あんたはひとりだった。悪いが、女の子はみてない

「……っ、探さなくては…っ

身体を起こそうとした男を、ジョフロアがまたしても止めた。

無茶ですよ、絶対安静です
しかし
くどいぞセルゲイ

アーリクの静かな一喝に、男は大人しくなった

ミロ、お前が探してこい
え?

自分に話が振られるとは思っていなかったミロは、思わず間抜けな声を上げた。

「どうせ暇だから、こんなところにいるんだろうに」
いや、俺用事が、といいかけて、ミロは黙った。アーリクの目が、お前の予定は聞いていないと無言で語っていた。
厳しいなあ。おい、ジョフィーもついてきてくれるか?
「ジョフロアです」
懲りずに律儀に名前を訂正しつつ、ジョフロアは同行を快諾した。

ガキの足じゃ、大してとおくにはいけねえだろうけど、どこから探すかな……
相手はジンですよ、飛べたりするんじゃないですか
うーん、と考えるミロに、冷静にジョフロアが言葉をかける。
そうなのか、と恐る恐る寝台に目で問えば、
は頷いた。

うへー、それでこの街中さがせっつーのかよ、まだ地理もよくわかってないのに

頭を抱えるミロを、アーリクが一瞥する。
財布はおいていけ
あ、イリスに預けてあるからそれは大丈夫
返事の代わりに、呆れを含んだ視線が二つ飛んできた。

「それで、その子の特徴は?」

ミロは男に問いかけたところ、聞き覚えのある足音がぱたぱたと聞こえてくる
ジョフロアが、その足音が部屋にたどり着くと同時に扉を開けた

あれっみんな揃ってどうしたのー?

よぉ、ポチセンセ

ミロが挨拶すればポストーチが万遍の笑みで答えてくれた。最近髪を切った彼女は、急に大人びて見えた。
そこに、ポストーチの陰から、ひょこっと顔をだす姿があった。どうやら小さな子供だ。ポストーチの服にしがみついているから、部屋の中からはよくみえなかった。

ポストーチ先生も、人を拾ったんですか?見かけない顔ですね
「も、拾った?

今までの経緯をしらないポストーチが、首を傾げる。

気にしないでくださいとジョフロアが付け加えると、彼女は不思議そうに笑った。

さっき会った子なんだけど、同行している人が怪我して、お医者さんを探してるみたいで。誰か手伝ってくれないかなって…先生一人じゃ、何かのとき患者さん運べないからっ

なるほど、と答えて、ミロははてと思い当たる。なんだか、つい先刻遭遇した情況に酷似している。

人が
壁になって、中がみえていなかったのだろう不意に、少女がポストーチの陰からふわりと飛び上がり、
ミロの脇を抜けて部屋に入ってきた。


あーっ、グーリャーっ!

寝台の上の男を見つけるなり、少女が叫ぶ。部屋の中にいたアーリクと男も、彼女がみえていなかった様子だ、だが声をきいて、ただ少女を見やったアーリクに比べ、男の方は驚き、安堵の表情をみせた。ふわりと寝台に飛び乗ろうとした少女を、とっさにミロの腕が掴む。

グーリャ!よかったあ、いたぁ
ああよかった……無事だったか……

ミロに捕まえられたまま、少女がばたばたと手足を動かす。

グーリャ、大丈夫?大丈夫?私グーリャが痛そうだから、お医者さん探してたの!
離れるなといっただろう……まったく、また奴らに捕まったのかと……
また飛び出した新しい固有名詞に、ミロはこの男の名前はどうなっているのかと呆れた

セリョーシカ、それくらいにしろ。君もだ、グーリャは酷い怪我をしている。あまり喋らせないでくれ
はぁい……

アーリクが諭すと、少女は大人しくいうことを聞いた。静かになったのを見計らって、ミロはゆっくり、少女を床に下ろした。男も、それきり口を噤んだ

全く状況を把握していないポストーチが、あれ?患者さんって、その人?と、きょとんと寝台を見つめた。

すまないポストーチ、話が見えていないとは思うが……ちょうどお互いの捜し人が合致していたようだな

え?あ、はい!それならよかった!ですねっ!

よかったよかったと、ポストーチが笑った

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