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caravan活動記録と雑記。 登録キャラ詳細はプロフィール欄リンクよりご覧ください。
Posted by - 2024.05.14,Tue
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Posted by mio - 2008.09.14,Sun
ミロとアーリクがキャラバンに参加して直後の学術都市にて。
3夜中に更新できなかったよ!!

医者は喜び図書館めぐり、護衛は水辺で丸くなる。そんな感じのお話。
内容は薄いです。


砂漠の学術都市に滞在して、数日。
アーリクが突然、新しく街にやってきた隊商に参加する旨をミロに述べた。
いままで2年間、彼がどこかの隊商にくわわったことはない。ミロは突然のことに少々驚いたが、何のこともなしに自分も参加すると答えた。
「……いや、今までと同じく、ついてくる必要はないぞ?」
「いや、俺することないからさあ、隊商参加も楽しそうだし?」
あきれるアーリクを尻目にミロは率先して隊商に向かった。
その隊商はすでにかなりの大所帯だったが、参加は快く認められた。

しかしこの隊商が次の街へと移動し始めるのに、まだ一ヶ月くらいかかるらしい。
結局二人は、隊商が移動を始めるまでこの街にとどまることになった。

実際それはアーリクにとっては願ってもないことだった。
この都市には砂漠最大の図書館に、膨大な書籍が保管されている。
北方出身の医師であるアーリクの、この地方の医学についての興味は並々ならないものだ。
毎日のように図書館に引きこもっては蔵書をあさっている。
仏頂面はあいかわらずだが-どうも表情筋に問題があるようだ-、ミロが口調を聞く限りでは機嫌はすこぶるいい。相当楽しいのだろう。

ミロの方はというと、退屈をもてあましていた。
彼は文盲ではないが、本をまともに読んだことはないし、その気もない。
若いころは時間さえあれば外を駆け回るか、兄と打ち合いをしていたような男である。
無論、この都市の学者の講義を聴講しに行こうというような向学意識など、かけらも持ち合わせてはいない。
初めのころこそ街をうろついていたものの、娯楽に富んだ街ではない。一週間もすれば、すぐにすることはなくなった。
結局彼が選んだ行動は、昼間は寝て、夜は飲むという彼らしい昼夜逆転生活だった。

今日もミロは、日が高くて過ごしにくい昼を涼しい水辺で過ごそうといつものポイントに向かった。
隊商宿に程近いオアシスが、彼のいつもの昼寝場所である。

適当な木陰に転がって目を閉じれば、すぐにも夢の中。

しかし、今日のところはそうもいかなかった。
オアシスには、先客がいたのだ。
それもすこぶるうるさい、お子様という名の最強種族が。

ちょうどいつもの昼寝場所で二人の子供が騒いでいる。
この前隊商宿付近で見かけた気がするので、きっと隊商にいる子だろう。
「やべえ、隊商ってがきんちょが多いんだったな・・・」
ミロは子供好きであるが、昼寝をしたいときは別である。
「はあ、いままでが運が良かったってことなのか・・・」

ここでは昼寝は無理だ。ミロは仕方なく、宿に戻ろうとした。今ならアーリクも留守だし、部屋にはだれもいない。
しかしそこで、ふと足を止める。街の見取り図を頭に思い描き、あ、と思い立った。
そういえば、街の反対側にも水辺があったな。神殿の回りだし、もう少し静かかもしれない。
じりじりと照る日差しは、むき出しの腕に刺さるように強烈だ。さすがにマントを羽織って、ミロはてくてくと歩き始めた。

神殿に向かう道すがら、巨大な門を通り過ぎる。図書館や教室などをふくむ、研究機関の門である。
そこから、見慣れたフード姿が足早にあらわれた。本を1冊小脇に抱えている。
「アーリク、今日はもう店じまいか?」
呼びかければ、彼はすぐこちらに気がついた。
日除けにフードを目深にかぶりマスクをした状態では目元しか見えないが、機嫌が悪いオーラを周囲に放っている。
機嫌が悪いときのこの男の怖さをよく知っているミロは、恐る恐る質問した。
「……どうした、なんかあったのか」
「異文化研究をしているとかいう男が、私の容姿を見るや否や質問攻めにしてきてな。耐えられんので出てきた。」
喜ぼうが悲しもうが、彼が顔の表情を変えることはない。しかし、そう一息で言い放ったアーリクが怒っているのは口調から明白だった。
金髪に碧眼、白い肌。あからさまに砂漠以外の民族であるアーリクである。この街にこもって研究をしている人間には格好の研究対象になりえるのだろう。
問題は、アーリクが故郷のことを話すことを毛嫌いしていることである。
「ちょっとくらい答えてやりゃいいじゃんか?」
何気ない一言に、アーリクが怒気を強める。
「そのような義理はない。大体彼の質問は、一般的な書物でも知りえる程度の低いものばかりだった。
答えるだけ時間の無駄だ。まったく、明日からは図書館でもフードを脱げないということだ、忌々しい」
「そ、そか、大変だったんだな」
機嫌の悪さが増したのを察知したミロは、これ以上この話題には触れないことにした。話題を変えようと必死に、アーリクの持つ本を指差す。
「で、それは?また病気の本か?」
「病気の本…」
ミロの表現が気に入らなかったようだが、アーリクは面倒くさそうにああ、と答え、抱えていた本の表紙をミロに向けた。
重厚な分厚い本の表紙にこれまた重厚な文字で題が刻まれている。しかし、ミロに本の内容はさっぱりわからなかった。
単語の発音がわかっても、その意味を知らなければそれはただの記号である。
アーリクもそれは知っているはずなので、何も言わずに本を抱えなおした。

「そういえば、あんたみたいに勉強したいやつは学者さんの授業も受けれるんだろ?でないのか?」
「一人で本を読むほうが性にあっている。またさっきのような学者がいないともかぎらんし、生徒の質もな・・・・」
一般公開の授業は老若男女問わずに公開されている。アーリクとしては、彼が非常に苦手とする元気な子供もいるかもしれない講義には行きたくないのだろう。
「比較医学の類の講義を受けれるのなら受けてみたいのだがな。まあ、著名な学者に直に質問できるのが一番なんだが。」
アーリクのぶつぶつとつぶやく様子をぼーっとみていたら、ふいに本を押し付けられる。
もって帰れというのかと思ったら、ただ単に煙草をすいたかっただけのようだ。アーリクは慣れた様子で煙管に葉を詰め、燐寸を擦った。
ミロが持っていた本は、煙管に火をつけた後すぐに乱暴に取り返された。まるで、ミロがアーリクから本を奪ったかのように。
「あんたなあ・・・」
文句を言いたくもなったミロだったが、アーリクの機嫌がいまだ悪いことを思い出し、口をつぐんだ。触らぬ神に祟り無し。長い付き合いで学んだことである。
変わりに、心に浮かんだ素朴な質問をしてみた。
「相当興味あるみたいだけど、あんたんとこの医者とこっちの医者って、違うのか?あんたに治療してもらっても、ほかの医者との差はあんまりわかんねえんだけど。」
「応急処置などはほとんど一緒だろう。ただ、私の故郷の医学とこちらの医学では、医学とみなされる範囲が違っていたり、またそれによって研究のされ方も違うからな。根本的な差異もそれなりにある。」
「ふーん、だからそんなにこの街にきたがってたのか?」
「それも、あるな」
それも。含みのあるいい方ではあったが、ミロは特に気にする様子も見せず、納得したようにうなづいた。
というより、自分がなぜここで立ち話をしているのか、本来の目的を思い出したため、興味が失せた。

「と、そろそろいくわ。俺は昼寝の場所を探してるんだった。」
「いつものところに、騒がしい先客でもいたのか」
「そのとーり。神殿のほう試して見るわ」
「そうか。市場よりそこから入れる横道を使え。すられないようにな。」
ひらひらと、キセルを持った手が揺れ、アーリクが踵を返した。
ミロも軽く返答し、歩み始めた。助言通り、人通りの少ない道を選んで。

アーリクは基本的に手厳しいが、なんだかんだと心配はしてくれるのである。それがミロにはありがたかった。
ここでまたすられたりしたら、ねちねちと嫌味を言われるのは確実だったが。

いくばくもせず、ミロの目に神殿が飛び込んできた。裏道を使ったことはなかったので少し手間取ったが、とりあえずすられることはなかった。
人ごみで異常なほど財布を失うミロにとって、これは重要なことである。

水の女神を祭る神殿には見向きもせず、さらに奥に見える水辺へと向かう。
予想通り、隊商宿近くに比べれば人が少ない。
最初からここを使っていればよかったな、といまさら思う。ここでは子供も騒がないだろう。

ちょうどいい木陰を見つけ、長い肢体を投げ出す。膝下が日陰に収まりきらなかったが、致し方ない。片足を軽く曲げて、やりすごす。
水のおかげでひんやりして、なんとも心地がいい。街の喧騒も、ここにはほとんど聞こえてこない。

夜になったら、街の酒場に行って、かわいい子を探そうか。昼寝は一人がいいけれど、夜に一人は寂しいよなあ。

そんなことを適当に考えながらミロは、目を閉じた。
 

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